対象疾患 痙縮と痙性麻痺

痙縮(けいしゅく)とは脳卒中や脊髄損傷などの後遺症として多くみられる症状です。筋肉が緊張しすぎて手足がつっぱってしまうことを言います。手指が握ったままとなり開きにくい(にぎりこぶし状変形)、ひじが曲がったままになってしまう、足先が足の裏側のほうに曲がってしまう(尖足)などの症状がみられます。脳卒中や脊髄損傷の発症後、時間の経過とともに出現します。脳卒中などによって手足がもともと動かしにくくなっている方では、痙縮によって麻痺した手足がさらに動かしにくくなってしまう状態に陥ってしまいます(痙性麻痺)。それだけではなく、固まってしまった関節や筋肉に痛みを感じるようになることも珍しくありません。

当科では、この症状を改善するためにボツリヌス毒素という筋肉のこわばりを和らげる薬とロボットを併用して治療することと試みています。痙縮は麻痺した手足のリハビリテーション治療効果を弱めてしまうため、ボツリヌス毒素でこれを和らげた上でロボットにより麻痺からの機能回復を促します。それだけではなく、脳の機能も回復させられることがわかってきています。この治療法に関する研究成果は、2017年に Journal of the Neurological Sciences という英文誌に掲載されました(研究業績)。現在も治療成績改善に向けて臨床研究を行っています。

また、痙縮に対する外科的治療も積極的に行っています。脳卒中などが原因の局所的な痙縮に対しては選択的末梢神経縮小術を行い、 脊髄損傷などが原因の両腕や両脚に起きる痙縮に対してはバクロフェンポンプ髄注療法も行います。様々な治療選択肢を用いて幅広くの痙縮でお困りの方々に治療を行っています。

痙縮イメージ

PAGETOP